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浄水器の選び方

一般家庭の必需品

水道水の水質に対する不安が高まり、ペットボ トルの水が売れています。しかし、調理全般をペットボ トル入りの各地の名水でまかなうわけにもいかないので、今や都市部の一般家庭では浄水器は必需品になっています。

浄水・整水・活水の意味と違い

浄水: 浄水とは、水の中に混入した有害な異物を取り除くこと。家庭用の浄水器でおなじみの言葉です。

浄水と混同されやすい言葉に以下の2つがあります。
整水: 整水とは、浄水後の水を電気分解してアルカリイオン水と酸性水を作り出すこと。アルカリイオン水は飲み物や料理に使うとおいしく、健康にもよいと言われています。酸性水は洗顔に使うとお肌の美容に良いと言われています。
活水: 活水とは、科学的な成分分析だけでは捉えきれない良質な湧き水のおいしさや、生物を育むパワーの研究にもとづき、劣化した水を甦らせる事を目指すもので、科学的な根拠に乏しく大手のメーカーでは取り扱っていませんが、磁気やトルマリン、特殊なセラミックを使った製品を販売しているメーカーがみられます。

浄水器のフィルター

浄水器の心臓部であるフィルターは通常はカートリッジ式になっていて活性炭、セラミック、中空糸、イオン交換繊維などを組み合わせて段階的に異物を 取り除く仕組みになっています。
取り除ける有害物質はフィルターのグレードによって異なります。通常、どのフィルターでも通常、濁りと残留塩素は取り除けますが、トリハロメタン、カビ臭、農薬やその他の微細な物質を取り除けるかはフィルターの性能によって異なります。必要に応じて性能の違うフィルター・カートリッジを装着できる機種もあります。

本体の形状と特徴

蛇口取り付け型
コンパクトで取り付けが容易。価格も安価。液晶ディスプレイでカートリッ ジの交換時期が表示される機種もある。カートリッジ交換は約3ヶ月ごと。ポピュ ラーな商品は東レ「トレビーノ」、三菱レーヨン「クリンスイ」、ナショナル「ミ ズトピア」。

据え置き型
シンク上設置型と、シンク下収納型(ビルトイン型)がある。蛇口型に比べ流量が多いのが特長 。カートリッジ交換は6ヶ月〜1年ごと。ホースが伸びるハンドシャワー付きのタイプもある。主なメーカーは、三菱レーヨン、東レ、 ナショナル。ホテル、軍、航空会社などプロの信頼が篤いのは「シーガルフォー」。 高価なものも多いが、長く使えるものが多い。

ポット型
テーブルや冷蔵庫に持ち運びでき便利。価格も安価。ポピュラーなのはブリタやディアボロ。

購入時の留意点

フィルターカートリッジは消耗品です。使用頻度やトータルで何リットル濾過できるかの性能に応じて寿命が異なります。カートリッジの価格と交換頻度によるランニングコストも考えましょう。購入価格が高額でもフィルター交換の回数が少なければ、購入価格が安価なものより、お得な場合もあります。
1分間に何リットルの浄水が作れるかの最大流量は機種によって異なります、目的に合わせて選びましょう。
蛇口取り付け型は、蛇口の下での作業の邪魔になる可能性があるので、シンクの作業スペースを事前によく確認しましょう。また蛇口の形状によって取り付け部品が異なるので、購入前に蛇口の形状を確認しましょう。
据え置き型は元の水栓の形状によっては簡単に取り付けできない場合もあります。 うちビルトイン型はキッチンメーカーから販売されるケースが多く、個人では取付できないので、取り付け工事業者(リフォーム施工業者や水道業者)に依頼する必要があります。
整水器は据え置き型。さらに、電気分解のため電源が必要になります。
活水器については高額なわりに効果が疑わしいと報告されている例もあるので、購入前に怪しい製品でないかよく調べましょう。

使用上の注意点

浄水器の中に溜まった水は塩素が除かれているため雑菌が繁殖しやすくなります。そのため、通常、蛇口取り付け型や据え置き型は毎日の使用開始時に、浄水を数十秒間以上流してから使用する、2日以上使わなかったときには、浄水を1分以上流してから使用する、ポット型は冷蔵庫に保管する、といった注意点があります。

有害物質の水道水への混入経路と種類

浄水器が除去することを目的としている有害物質は以下のような段階を経て水道水に混入します。

水源の汚染
都市の水道の多くは河川から取水しています。河川の水には、上流 のゴルフ場の農薬、工場排水、界面活性剤などの生活排水 、富栄養化した湖沼の藻によるカビ臭等が含まれています。 また、水源の一部は地下水ですが、これにも、農薬、工業用溶媒、ドライクリーニングの溶剤等が浸出している可能性があります。いずれも大量に摂取した場合は健康被害のおそれがあります。これらが浄水場で100%除去しきれず、微量ながら残留している可能性があります。

浄水場における汚染
浄水場においては殺菌の為に塩素が投入されます。塩素は遊離塩素の形で残留し水道水の風味を劣化させるだけでなく、水中の有機物と反応して発ガン性が疑われるトリハロメタンが生成される可能性があります。

配水管や受水槽での汚染
配水管から赤サビや溶解性鉛が混入する可能性があります。ビルの場合、管理の悪い受水槽では雑菌の発生も心配されます。

(以上:福永)